雑誌掲載

カードック(2006年2月号)

カードック
カードック

整備事業者必見
2006年を勝ち抜く筆跡

  カードック
2002年5月から毎号「紙上筆跡診断」をさせていただいている。勇気を奮って「マナイタの鯉」になっていただいた方は述べ74人になった。診断する立場としては、さまざまな分野のトップの筆跡にお目にかかり非常に面白い。 整備市場はいまや戦国時代であり、今年こそ正念場の年といえる。そこでこの厳しい環境を勝ち抜く筆跡について説明したい。
リーダー気質の方は思いのほか少ない
今までの紙上筆跡診断の結果から74人の筆跡傾向を分析してみた。意外だと思われた第1番目は、リーダー気質の人が少ないことである。
リーダー気質とは、人をリードしていきたい、人の下で命令を受けているのは好まないという気質である。いわゆるリーダーシップとは少し違う。リーダーシップとなると、リーダー気質のほかに、「先見性」や「部下指導力」などリーダーとしての能力が求められるが、リーダー気質という場合は、リーダーの土台になるところの独立・自尊のような心意気を指す。このリーダー気質は、「大」「木」「土」など、横線を書いた後に縦線を書く文字の場合に、横線の上に縦線がどの程度突進するかで調べることができる。もちろん「様」の「きへん」や「東京」の「東」などの文字でも同じことである。

さまざまな筆跡で部下の性格をつかめる
お手元に年賀はがきでもあれば、ちょっと見ていただきたい。また、部下の書いた報告書などから、部下の性格をつかむのにも役に立つ。「大」「木」などの場合、上への突出が文字全長の3分の1以上出ていたらリーダー気質。4分の1以下なら「協調型」ちょうど4分の1程度なら「中間型」になる。協調型とは、リーダー気質の反対で、人の上に立ったり命令したりするのは苦手で皆と同じ行動を取っている方が安心できるというタイプ。中間型とは、状況によりリーダーもセカンドも務められるタイプである。
診断の結果ではなんと協調型が約半分
さて、肝心の分析結果だが、74人のデータではつぎのようになった。
リーダー気質・・・・・ 18.9%
中間タイプ・・・・・・・ 32.4%
協調型 ・・・・・・・・・ 48.7%
つまり、典型的なリーダー気質は20%未満で、半分近くが協調型となっている。この数値は私の過去の経験からみてかなり珍しい。
今までのデータではおおよそ25%がリーダー気質と協調型、残りの50%が中間タイプであった。また、中小企業の社長だけで見ると40%程度はリーダー気質であった。確かに、紙上筆跡診断に登場いただいた方は、中小企業の社長ばかりではないから、ある程度違うのは不思議ではないが、それにしても、リーダー気質の少なさと協調型の多さは驚きである。
現在の戦国時代を勝ち抜くには、強いリーダーシップが不可欠である。その意味で図1のようなリーダー気質の文字を意識して書くようにしていただきたい。性格とは「行動傾向」だといえる。だから、その行動の一環である文字を変えていくことで、性格を強化することができる。
変化の時代を乗り切るためにハネを強くして貼り強さを
第2に「貼り強さ」を表す「ハネの強さ」にも特徴があった。これも意外に「ハネ弱」が多かった。ハネ弱は、行動の素早さはあるが、壁にぶつかった時の粘りがない。ハネは「京」や「子」「成」などの字で見ることができるが、ハネのデータはつぎのようであった。
ハネ強 ・・・・・・・・・ 21.6%
中間タイプ・・・・・・・ 31.1%
ハネ弱 ・・・・・・・・・ 47.3%
このハネ強弱について一般には、それぞれのタイプがほぼ均等に3分割されることが多い。これに対してこれまでの診断結果は「弱」が非常に多いことになる。これでは、リーダーとしてはいささか心もとない。このハネに関しても、ぜひとも図2のように強く書くように心掛けて、この戦国時代を勝ち抜いていただきたい。
最後に、コマーシャルめいて恐縮だが、この「文字を変えて性格を強化する」ことについて興味のある方は、今、大きな書店には、拙著『成功文字マスターノート』(きこ書房)が並んでいるので、手に取って頂ければ幸いである。
文字を変えて性格を強化する
文字を変えて性格を強化する



紙上筆跡診断



清水純明さん
マネジメント
清水 純明さん
信念にあふれる教養人
行動のシャープな切れ味も注目点
筆跡特徴解説
力強くメリハリの取れた書き方である。文字の配置から見て、なかなかの教養人と思われる。軽い「起筆ひねり」である。これは何も考えずに筆を下ろすのではなくて、自分というものを意識した書き方である。そこから信念が強いという性格が浮かびあがる。また、ハネが強い。ハネが強いということは最後まで力を抜かないという行動傾向の表れで、粘り強い努力家であることを示す。やや珍しいのは「月」「東」「京」などの転折部が「角丸混合」になることである。普通はどちらかに統一されることが多いが、氏のように混合するというのは単純な人間ではないことを物語っている。これを行動から見れば、状況によって堅いときと柔らかい時の両用を示すということである。
最後に「海」や「清」の文字で、後から書いた線が前に書いた線に軽く交差する。これは、シャープで強い性格の表れで、行動の切れ味の良い方であろう。
筆跡特徴解説
「転折部角丸混合」・・・・・・これは、たとえば、本来は角に書いていたが、「人生修行で柔らかい丸型を身につけてきた」というように、自分を向上させてきた人の特徴である。その分、人間に深みが出る。
この文字を書く人
アテネオリンピックで、ハンマー投げ優勝の室伏広治が同じ程度の「角丸混合」の文字を書いている。彼は31歳と若いが、第一級のアスリートとして自己修行を積んできたのだろう。
 
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