今回は、「絵を描くことが好きなので、それを仕事として成功させるにはどうすればよいか」とおっしゃる「やまいも」さんです。ではまず、全体のバランスから見て行きましょう。宛先は「横」あたりから緩やかに中央に寄ってきているので「行下部左ズレ型」傾向が見られます。これは、日常生活では楽しいことを優先しやすいという特徴があります。文字と文字の間隔も一定のスペースを取って書かれていますから、のんびり屋さんで、厳しいルールや、窮屈な環境は好まない方でしょう。
次に、考え方と行動面はどうなのかを拝見。中には「接筆部」が閉じている文字もありますが、開いているものの方が多ので、思いやりがあり柔軟な思考をお持ちのようです。そして行動傾向を表す「転折部」は、「神」「横」などは丸く、「県」「青」「藤」は角張っています。つまり「転折角丸混合型」で、時と場合によって生真面目であったりほどほどであったりするのを使い分けるのです。
その他の特徴としては、「根」「様」などの「右払い長型」と「頭部長突出型」です。そこからは時間を忘れて描くことに没頭しているやまいもさんの姿が想像できます。そして、この場合の「頭部長突出型」は、皆のリーダーとなって組織をまとめてゆくというよりも、誰にも指図されることなく自分のやりたいようにやっていきたいという気持の表れであるようです。
さて、最後に珍しい特徴をご説明しましょう。それは「神」「横」「葉」の空間が小さく、つぶれやすいことです。ペンにもよるかもしれませんが、これは「字間つぶれ型」といって、芸術肌の方に多くみられるもの。こういったところにも、やまいもさんの絵描きとしての素質が感じられますね。ただ、一方で心身のどこかに苦しい部分を持っている可能性もあります。その苦しい部分を作品に昇華させるのが芸術家であるのかも知れませんが、健康には充分ご留意下さいね。
好きなことを仕事にするには、自分の強み弱みを知ると共に、常に技術を磨き続け、障害に対しても粘り強く乗り越えてゆく精神が必要です。その気力を支える体力も大いに大切です。
筆跡からのアドバイスは、例えば「葉」のような、込み入った文字はつぶれないように丁寧に書き、転折部は丸く書くようにしてみて下さい。芸術性を失うことなく、ある程度の余裕を持って、柔軟性のある行動で歩んで下さい。やまいもさんが、好きなことを見つけられたことに拍手を、そして好きなことで成功できるように祈っています。頑張って下さいね!