今回は、「定職につけず悩んでいる。また、内向的で暗く見えるらしい自分を変えたい」とおっしゃる「こまち」さんです。まずは、全体のバランスからみて行きましょう。宛先と宛名は真っ直ぐではなく、緩やかなカーブを描いていますね。これは、「行うねり型」といって、ご自分の身体リズムや情動を基準に行動する本能派の特徴で、ダンサーなどにもよく見られます。
私たちは普段、社会規制の中で生きています。「本当はこうしたいのだけれど、この状況では我慢するべきだ」といったことを日々訓練させられているので、日常ではそれを特に意識していません。ですから貴女のようなタイプが、本来は生物としては自然なあり方なのです。
定職につけないというのも、結局は「自分のリズムに合わないから」かもしれませんね。そのように貴女はご自分に正直な方であることがわかります。
次に、考え方と行動面はどうなのかを拝見。
考え方を表す「接筆部」は、閉じた文字はあるものの、多くが開いています。融通性があり、「それもありですよね」といった柔軟さをお持ちのようです。そして行動傾向を表す「転折部」は、典型的な角型。考え方に較べて、行動は堅く真面目。自分で自分の行動を制限している可能性があります。
その他の特徴としては、へんとつくりの間が狭い「開空間狭型」、第一画目を書く時にヒネリを入れる「起筆ヒネリ型」。最後に「根」「本」「様」などの「右払い長型」です。そこからは、1)貴女は、大勢の人とワイワイ賑やかに騒ぐ方ではなく、気のあった少人数、むしろ一対一の人間関係を好み、一人の時間もまた大切にしていること。2)何事にも自分の考えというものがあり、喧嘩は好きではないけれど、誰かと意見が食い違った時にはなかなか譲れないこと。
3)そして、気に入った何かに対してはのめり込んでゆくこと。などの行動傾向が表れています。
ハガキからは「私は自分のペースで思うように生きたい!」といった「想い」が伝わってきます。でも、現時点では自分の生き方を貫こうとする決意が、今ひとつ弱いように感じられます。貴女は定職につけないことで自信をなくされ、また「内向的で暗く見えるよ」という外側の言葉を気にしていらっしゃるようですが、心配することはありません。
まずは今居る職場で、精一杯のことをやってみましょう。そして、「内向性」のよい点を考えてみて下さい。外向性のある人ばかりが成功するとは限りません。内面を探り、深めてゆける素質を持っていることは素晴らしいことではないでしょうか?今暫くは、タフになる訓練をしているのだと思ってみて下さい。
その上で、筆跡心理学の観点からのアドバイスですが、「へんとつくりを広く書くこと」と柔軟性や明るさを行動面でも反映させるために「転折部は丸く書くこと」。どちらも貴女にとっては書きにくいかもしれません、その時「私は私でいいのだ」と気付くかもしれませんね。貴女という特質を持って生まれたからには、貴女は持っているもの全てを有効に使わなければ、貴女自身が可哀相です。
これからも試行錯誤や遠回りを沢山して、ご自分の中の宝物を見つけていって下さいね!