今回は、「現在は老齢の母の年金を支えに、病弱な兄との三人暮らしをしています。いずれは家を出るつもりで頑張って貯金しました。しかし給料は少なく、私も持病があるので先々心配です。是非金銭面のアドバイスを！」とおっしゃる「コロ」さんの筆跡を診断させていただきます。苦境にも屈せずに前向きに歩むコロさんに、まず拍手を贈りたいと思います。
では、全体のバランスから見て行きましょう。文字は全体に曲線が少ないデジタル文字で書かれていますね。これは自分の感情をコントロールでき、何事も割り切って行動しようとするタイプの人に多い文字形です。ちなみにデジタル文字の反対は連綿型です。次に行に注目すると、「神奈川」の一行と、宛名は大きくうねっています。ここから、コロさんは本来は感覚型の人であることがわかります。理屈よりも身体感覚に忠実に行動するタイプのようです。
さて、考え方と行動面はどうでしょう？考え方を表す「接筆部」は、全ての文字がきちんと閉じています。そして行動傾向を表す「転折部」は、全て角ばっていますから、考え方も行動も、生真面目で几帳面。社会ルールや決められた規則などにはきちんと従います。ルーティンワークも嫌がらずに、自分がやるべき仕事には誠意を持って取り組む方でしょう。
また、コロさんは、へんとつくりの間が広い「開空間広型」です。包容力があり、受容性に富んだ方といえます。「根」「様」などの払いは短いほうなので、感情表現はあまりせず、むしろ自分に対しても人に対しても感情を押さえてこられたようです。人からは、堅実でしっかりした人という印象を持たれるでしょう。
さて、興味深いのはハガキの表面と裏面の字では筆跡特徴が少し異なることです。表は「根」や「木」は「頭部長突出型」なのに、裏面では頭部の飛び出しが少なく「頭部突出控えめ型」であること。そして「寛」のハネはしっかりしていますが、裏面ではほとんどハネが無いこと。
コロさんは社会に対して見せる（或いは見せたい）顔とプライベートでは少々違っているようですね。もちろん、それは多くの人に当てはまることですから、ご心配には及びません。むしろそれを理解して、外に対して見せたい顔を、無意識レベルにまで落としこんでゆくことが大切なのです。ですから、実はコロさんは無意識に今何が必要なのかをわかっていらっしゃるわけです。
すなわち、私は自分の人生のリーダーであるという自信、そして最後まで責任を持って生き抜くという粘り強さ、この二点が必要だと気づいていらっしゃるのです。
さて、コロさんのおっしゃるように、今では多くの会社が「いつまでもつかわからない社会」です。お母様やお兄様の件、体のことなど、いろいろとご心配の種はつきないというお気持ちはとてもよくわかります。
でもその前に、まずは１０年間に及ぶ派遣生活に耐え、正社員になれた自分に「よくやった！」とほめ、そしてご自分に深く感謝して下さい。コロさんは、かなりの頑張り屋さんだということに自信を持ちましょう。
一つのご病気をすでにお持ちであれば、更にふやすことの無いように、日々気持ちをリラックスさせることを最優先事項として下さい。一人でいるときには、些細なことでも自分を喜ばせるようなことをしましょう！
どんなことがあっても大丈夫な自分であるために、これからは心身ともに柔軟性を持つことが健康と幸せの秘訣です。筋肉が硬くなると血行が悪くなり骨折しやすくなるように、思考面でも同じことがいえます。
筆跡の面からは、頭部を長く突き出すのと、ハネを強めに書くことに加えて、接筆部は開けて転折部は丸めするようにして下さい。
いずれ、より高給を得られる転職や一人暮らしや結婚など、コロさんの人生に喜びの変化が訪れる時に、疑いや恐れや不安からチャンスを逃さないために、いつも前向きでい続けて下さい。コロさんの未来が、これまでの険しい道のりを、補って余りある素晴らしい道でありますよう心から祈っています！
