筆跡鑑定人ブログ

筆跡鑑定人ブログ−50
筆跡鑑定人 根本 寛
 このコーナーに書くのは、事実に基づく、筆跡鑑定人の「独り言」のようなものです。お気軽にお付き合いいただければ幸いです。
 ただし、プライバシー保護のため固有名詞は原則的に仮名にし、内容によってはシチエーションも、特定できないよう最小限の調整をしている場合もあることをご了解ください。
人気の「池上彰」さんを裸にする
  • 「勝手に筆跡診断」……お許しあれ
  •  「学べるニュース」、「そうだったのか」等で超売れっ子の池上さんとはどんな人物なのか。著書の広告に出ていた池上さんの筆跡から「勝手に筆跡診断」をしてみよう。池上さん有名税と思ってお許しあれ。
  •  つぎの文字が池上さんの筆跡である。ほどほどに柔らかいジャーナリストらしい筆跡である。池上さんは「本」を書くことが「『本』業」だそうだが、作家は、もっと「自由奔放」に書く人が多い。良く言えば「飾らず」とも言えるが「わがまま」とも言える。それに比べるとジャーナリスト出身のためか読み手を考えた常識的な筆跡である。
  • 図1
  • 行動に二面性ありとは?
  •  第一に目につくのは、「面白」の文字の転折部(四角い部分の右上の角)に「角型」と「丸型」が混合していることだ。ここは、筆を動かしている途中のため書き手の「行動傾向」が出やすい。
  •  「角型」型は、学校で教わった通りルール通りに書くので行動傾向は「几帳面型」と解釈され、「丸型」はスピーデイに要領よく書くので行動傾向は「融通性あり」と解釈される。その相反する二通りを書くというのはどう解釈すればよいのか。
  •  …その通り二面性を持つと解釈すればよいのである。つまり、ある時は「ルールを守り几帳面な行動」、あるときは「柔軟で融通性のある行動」を取るということ。年齢などから推測するに、仕事のフォーマルな場面は几帳面、プライベートな場面では融通型にということだろう。
  •  プライベートな場面が本質といえるので、本質は「融通型」でユーモアのあるタイプと思われる。NKKのニュースキャスター時代に、堅いニュースの合間にジョークを入れることがあったそうだ。それは、融通性のある柔軟な性格だからできることだろう。
  • 頭の回転が早く、気前がよい?
  •  第二に「彰」の文字で第5画の横画が左に突出する。われわれの用語で「左方突出(さほうとっしゅつ)」という特徴である。この意味するところは、頭の回転が速く「才気煥発」だということである。これはテレビで池上さんを 見れば一目瞭然だ。
  •  聖徳太子もこのタイプの文字を書いている。聖徳太子は、一度に10人の訴えを聞きわけたということだから、さぞかし頭の回転や頭の切り替えが早かったのだろう。
  •  面白いことに、この左方突出の方は、気前が良く人に奢ったりすることも多い様子である。察するところ、「頭がいい!」とか「気前がいい!」というような賛辞に弱いらしい。
  • 鋭い分析力のもとはここにあり
  •  第3には、これこそ池上彰さんのジャーナリストの本性ではないかと思われる筆跡特徴がある。それは「池」の字の「偏」と「旁」が衝突していることである。これは「異常接筆」といい、一般には歓迎されない筆跡特徴といえる。
  •  「勝新太郎」さんも同じような癖があった。異常接筆の意味するところは、気が強く、普通の人がビビルような場面でも飛び込んで行くような行動傾向があり、また、細かな違いにうるさいという性格でもある。
  •  何故、歓迎されないのかというと、「気が強く、細かいとこにもうるさいので人と衝突することが多い」ということになる。普通、画線は衝突させない。それが衝突する人は人とも衝突する可能性が高いからだ。
  •  しかし、このユニークな性格こそ、並ではない鋭い仕事をする源といえるだろう。池上さんは、新聞のスクラップや地図が趣味で、海外取材では最初に必ず地図を買うそうである。「国際問題は地図を見ればわかる」が口癖らしい。
  •  池上さんは、微妙なテーマへの鋭い解説で知られている。政治や社会問題などの多面的でデリケートなテーマの解説者として、まさに「細かいところを鋭く分析して、要点をしっかり捕える」という性格が発揮されているものと思われる。
  • 本当は「のんびり屋」さんでは?
  •  以上のように「仕事面は几帳面でプライベート的にはユーモアある融通型」、「頭の回転が人一倍速く才気煥発」、「人並み外れた鋭い分析力」と見てくると、これは、まさに池上さんの人間像そのもののようである。
  •  ……このように解説すると「上手い後付けをする」と受け止められることがある。後付けではなく、あくまで筆跡から人間像を読み解いたのであるが……。
  •  それでは最後に、後付けでは知り得ない池上さんの一面を説明しよう。池上さんは、文字と文字の間……字間がやや空き気味である。これは、「意外にのんびり屋で忙しいことは苦手」ということを示している。
  •  随分忙しく仕事をされているようだが、今のままではストレスが溜まるだろう。良い仕事を選んでじっくりと進まれることが、本当は性に合っているようである。
  • (このように書いたら、次の月にテレビ出演は当分止めるとの池上さんの発表があった。私の感想とあまりに一致したのでビックリ)
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