雑誌「アソシエ」(2006年新春号)の記事です
(ムック版「心理テクニック」に再度掲載)
相手の性格や深層心理が怖いほど分かる 「筆跡」から人物を見抜く
1 | 「起筆」 | 横にグイッとひねってから下に下ろしてくる人は、一癖ある人物。 良く言えば信念がある。悪く言えば意地っ張り。 |
2 | 「突出」 | 突出部が上に長い人は、リーダー気質を持っている。 傑出した立場になりたいという深層心理を示す。 |
3 | 「接筆」 | 3の角の部分が接している人は生真面目。 上の例のように隙間が開いている人は融通が利く柔軟なタイプ |
4 | 「転折」 | 角を丸く書く人は朗らかで想像力やアイデア、ユーモアがある。 角張って書く人は几帳面で常識にとらわれがち。 |
5 | 「左払い」 | 長く伸ばす人は、目立ちたがり屋で派手好み。 「美しく見せたい」「ちょっと飾りたい」という深層心理のあらわれ |
6 | 「右払い」 | 長く伸ばす人は、感動・感激しやすく、のめり込みやすい性格。 自分に酔ってしまう感情の傾向がある |
筆跡から心理を見抜く「フラフォロジー」は、欧州で学問として発達しフランスでは「筆跡心理学科」を持つ大学でもある。日本の刑事裁判の筆跡鑑定も行う根本寛さんに、簡単な診断法を聞いた。
「住所程度の文字数があれば書いた人の正確をある程度判断できる。東京都の『東』の字からだって分かることは少なくない」
まずは、読者の皆さんも上の枠の中に「東」の字を書いてみよう。次に左上の見本のチェックポイントと見比べてみる。「突出の長さ」「起筆のひねり」「転折」「接筆」「左払い」「右払い」がどうなっているかチェックしてみよう。
頭部の「突出」が長い人は並みでは満足できず、リーダーシップを取りたがっていることが分かる。「社長に多い筆跡の傾向です。」
最初の「起筆」でグイッと横にひねってから下に下ろす人は、一癖ある人物の証拠。よく言えば、自分なりの信念がある。悪く言えば、素直さがなく意地っ張りだ。
次に、左右への「払い」である。
払いが短めの人は、総じて自己抑制が強い。逆に払いが長めの人は、情緒的で感情が表に出やすい。
とりわけ「左払い」が長い人は、目立ちたがり屋で派手好み。「若い頃の長嶋茂雄氏は長かったが、後年はそれほどでもなくなった。女子マラソンの高橋尚子氏も左払いが長い」。注目される時ほど良い結果が出る理由はここにある。
右払いが長いのは、物事に感動したり感激したりして、入れ込む傾向がある。
左上の接筆がきちんと閉じ(くっついていて)、右上の転接部分をきっちり角張らせて書く人は生真面目なタイプ。逆に接筆部分が開き、転接部分を丸く書く人は柔軟で融通性がある人。
筆跡から顧客の性格を読む
中小企業診断士でもある根本さんは、営業を指導することも多い。そんな時には、顧客が書いた文字ぐせから、「几帳面」「強気」「人情家」などといった性格やタイプに応じた効果的なセールスを指導している。左ページの基本を手がかりに、アソシエ読者も筆跡から人格を見抜く技術を手に入れてほしい。
頭部長突出型
「大」「中」「東」など、
縦の線が上部に突き抜ける字で、 縦の線が横線の上に長く突出する人は、 人より抜きんでたい欲求が強い。 |
接筆(左上)が閉じ、
転折をキッチリ 何事にも真面目で几帳面だが、
融通性に乏しい。逆に、接筆が開き、 転折が丸い人は想像力や 物事に対する柔軟性がある。 |
払いが長い
上のように左の払いが長いのは、
目立ちたがり屋。 一方、右の払いが長いのは、 自己陶酔しやすく、 物事に感動してのめり込むタイプ。 |
はねが強い
粘り強く責任感がある。何をやるにも最後まで力を抜かずに全力投球をする。逆に、はねが弱い人や、はねない人はあっさり型である。
|
へんとつくりの間が広い
心の広さとゆとりのある人。このタイプは、自分と異なる意見も受け入れることができる。包容力があり、良いリーダーになれる。
|
口の中が広い
心が若くエネルギーがある。元気ハツラツ人間。若い人ほど「口」を大きく書く傾向があるが、年齢を重ねても大きく書く人は気持ちが若い。
|
起筆ひねり
このタイプの人は、我が強く、意地っ張り。良く言えば信念が強い。一筋縄ではいかない。信頼を得られるよう誠実に対応する必要がある。
|
横線が等間隔
「言」などの字の横線が等間隔の人は、論理的な性格の持ち主。一方、等間隔でない人は、気分屋で論理的に考えるのは苦手。
|
本来ぶつからない線がぶつかる
「異常接筆」「線衝突」と呼ばれ、人とぶつかることも厭わない乱暴な心の表れ。このようなタイプは筆跡を直すことが必要。
|
大弧型
大きく円弧を描くような部分がある筆跡。並みでは収まりきれない心理的エネルギーの表れ。常識では計れない大物の可能性あり。
|
横線左方突出型
頭の回転が良く、積極的に発言するタイプ。才能にあふれる人が多い。遠慮せずに自己主張するため、スタンドプレーに見られることも。
|